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教員懲戒免職処分、なぜ処分歴が閲覧対象にならない?埼玉県の男性講師(62)の例

埼玉県の男性講師(62) 懲戒免職処分 ニュース・時事

埼玉県の富士見市富士見特別支援学校の62歳の男性講師が過去・36年前に懲戒免職の処分をうけたが、1990年に埼玉県に教師として採用される際、処分歴を詐称して教職についていたことを自ら教育委員会に報告した結果、履歴書詐称で懲戒免職処分となりました。

この教員によると、2020年9月15日に「教員処分歴閲覧、40年分に延長」されるとのニュースをみて自白した形ですが、ニュースを見ると

この講師の過去の処分については期間が延長となっても閲覧対象とはなっていないとのこと

ANNニュース

とあるではないですか。いったいどういうこと??なぜ今回のニュースの男性講師の過去の懲役処分の件が閲覧対象とならないのかを調べてみました!

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埼玉県男性講師(62)の懲戒免職処分/ニュース概要

埼玉県は、採用の履歴書に別の県で懲戒免職処分になっていたことを記載しなかったとして62歳の男性講師を懲戒免職処分としました。

県によりますと、この講師は採用される際、36年前に福岡県の中学校で女子生徒に・・・な行為をしたとして懲戒免職処分になっていたことを履歴書に記載していませんでした。

ANNニュース

【ニュースの概要】
教職員の処分歴の閲覧期間が今年2月から過去40年まで遡って調べれるようになると知り、自ら市の教育委員会に申し出たとのこと。埼玉県で教職員として採用される際に履歴書の査証をしていたとのことから改めて懲戒免職処分とし、県は、教師としての退職金の全額返還を求める。という内容です。

【懲戒免職となった人物】
富士見市富士見特別支援学校の62歳の男性講師
【人物経歴・流れ】
・36年前(1985年)福岡県の中学校にて女子生徒に対してした行為により懲戒免職処分を受ける
・処分から5年後(1990年)埼玉県が教師として採用し、およそ30年ほど教職を務めた後退職
・去年(2020年)から再び講師として勤務(現在62歳・採用時推定60〜61歳)

ニュースの最後にはこのような記載があります。

この講師の過去の処分については期間が延長となっても閲覧対象とはなっていないとのこと

ANNニュース

このことについて検証すると…

教員処分歴閲覧の対象とならないのはなぜ?

埼玉県の支援学校の62歳の男性講師が履歴書詐称を自白したにも関わらず、閲覧対象にならない理由にあげられるのが、年齢と、講師であるということです。

処分歴閲覧対象となるのは、教員採用試験の対象者

懲戒免職処分の有無の確認対象者(懲戒免職処分の検索サービスの対象者)は、教員採用試験を受けるかたのようです。つまり、教員採用試験を受ける可能性のある方しか検索できないのではないかというのが推論です。今回のニュースの男性講師はすでに62歳。教員採用試験を受ける可能性はまずありません。年齢的に最大でも教員採用試験を受けれるのは59歳までです。ですので、自然とリストからはずされていて閲覧できないということが予想されます。

【教員のわいせつ行為を厳格化、懲戒免職の検索期間を40年へ】抜粋
法改正以外でも実効性のある対応を講じる必要があるとして、教員免許状の執行条件を情報検索できるシステム「官報情報検索サービス」により検索可能な情報の期間を、現在の直近3年間から大幅に延長し、直近40年間とすることにした。これにより、教員採用権者は採用にあたって対象者が過去40年間に懲戒免職処分などを受けたことの有無を確認できるようになり、より慎重な採用選考が可能となる。

教育業界ニュースReseed

教員採用試験の対象者はMAX59歳

【2020年の記事より】
今年度試験からの変更点として、受験年齢を現状の年齢制限49歳から59歳まで引き上げるほか、小学校及び特別支援学校小学部の実技試験では音楽実技で新曲視唱を、体育実技で水泳をそれぞれ削除する

教員採用試験対策サイト

【2020年の記事より】
教員採用試験、59歳まで出願可能に 21年度、県教委が概要発表 県教委は19日、2021年度県公立学校教員採用候補者選考試験と教育行政職採用選考試験の概要を発表した。 教員については出願可能な年齢を従来の49歳から59歳に引き上げた。

https://www.47news.jp/4632150.html

【2020年の記事より】
お隣の佐賀県を見ても、小学校教員については去年は1.4倍、今年は1.6倍で、苦戦しています(佐賀県教委資料)。佐賀県では、今回の試験から対象年齢を49歳以下から59歳以下に引き上げました。60歳が定年ですから、年齢制限は廃止したようなものです。

yahooニュース
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現在・講師としては閲覧対象ではない上懲戒処分を受けない?

また、講師としては、ニュースにも記載の通り、支援学校の「講師」と記載されており、「元講師」とは今の所されていません。(これから辞職か、解雇されない場合をのぞいて)
ですので、講師として懲戒免職処分は受けていないということになります。
つまり、「講師」採用の際には、「教員」採用のような懲戒免職処分を調べるシステムがないのか、履歴書詐称について懲戒免職処分を受けなくていい条件があると思われます。

「教諭(専任)」とは教員免許を有しており、教員採用試験に合格して正規雇用されている方のことを言います。 一方で「講師」の場合、教員免許を有してはいますが、教員採用試験に合格していない、何らかの理由で試験を受けていない方など非正規雇用の方のことを示し、一般的には1年契約となっています。

https://teachforjapan.org/entry/column/2019/08/09/koushi-kyouin/

つまり、一年契約の、契約社員のようなもので、そこまで経歴詐称に対する就業規則に記載がなかったかとも思われます。あくまで推測ですが。

経歴詐称には、学歴詐称、職歴や所有資格の詐称、犯罪歴の詐称などがありますが、これらを理由に解雇する場合、就業規則にその旨を記載している必要があり、詐称が判明したからといって直ちに解雇できるとは限りません。
経歴詐称が業務上または経営に対して極めて重大な影響を及ぼす場合は就業規則への解雇事由記載の有無は問われないケースもあります。しかし、極めて稀な場合であり、重大の度合いの証明も難しいものです。

https://partners.en-japan.com/qanda/desc_90

教員処分歴閲覧は今まで過去3年までだった!

今回のニュースの男性講師が、福岡で懲戒免職処分となり、免許を執行したにも関わらず、就職できていたのには、他県(埼玉)で教員採用試験を受けたことや、これまでのシステムでは教員採用試験の閲覧履歴が過去3年までしか遡れなかったことにあると思われます。最初に福岡で事件を起こしてから5年後に埼玉で再び教員職につく。今までバレなかったわけですが、今回のニュースで自ら申告した男性講師は、いったいどんな心境だったんでしょうかね。

2020年9月15日の文科省の記事
文部科学省は15日、児童生徒への〇〇〇〇行為などで懲戒免職となった教員のデータを検索できるシステムについて、閲覧可能期間を現行の3年から40年に延長すると発表した。わいせつ行為で処分される教員の増加を踏まえ、教員が処分歴を隠して採用されるのを防ぐ

懲戒免職で免許失効となった教員は処分が官報に掲載され、3年間は再取得できない。同省は2018年度から、各教育委員会や学校法人など向けに、免許の失効情報を確認できるシステムを提供している

現在は3年分しか閲覧できないため、教委からは長期間の処分歴を調べたいとの要望があった。11月から5年分を検索できるようにし、来年2月(今年2021年の2月のこと)から本格運用する。

同省は法改正で教員免許を再取得するまでの期間を3年から5年に延ばすことも検討している。児童生徒へのわいせつ行為に及んだ教員の処分を原則懲戒免職にする規定を新たに設ける見通し。

日経経済新聞
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まとめ・感想

【推測】なぜ36年前に懲戒免職処分を受けていた事実が遡って閲覧できないのか?
・今回のニュースの対象者(男性講師・62)が、年齢的に教員採用試験を受けない年齢なため、閲覧対象に入っていないのではないかという説。

【推測】なぜ履歴書詐称してい他にも関わらず、講師としては処分を受けないのか?
講師は教員ではないため、就業規則に経歴詐称に対する規定がない説。

 講師は「罪悪感は感じていた。生徒の成長を見ていたかった。言い出す勇気はなかったが、ニュースを見て背中を押された」

https://www.nagoyatv.com/news/syakai.html?id=000210656

と話されているようですが、実際自分の処分が「過去に遡って閲覧できない」ということを知った後、つまり、言わないでおけば履歴書詐称はバレなかったと知った時、後悔たかしないか…「言わないでおけばよかった」なんて思ったかもしれませんね。
でも罪悪感があったというコメントから、ずっと自分の起こした過ちや、過ちとして処分された事実、その事実を隠蔽して教職についていたことなど、全てを忘れずに30年間過ごされていたことは確かかもしれません。

「この講師の過去の処分については期間が延長となっても閲覧対象とはなっていないとのこと」という文章を読んで、その理由がわかったらホッとしているなんて人もいるかもしれませんね。

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